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映画の感想「2012」 

兄がDVDを買い、クソ映画だと言うので借りて観ました。ローランド・エメリッヒ監督の作品。

エメリッヒというと、アメリカ版ゴジラとかインディペンデンスデイとかデイアフタートゥモローを思い出す人も多かろうと思います。かく言う私もその口でね。もうね、大好きですよ。

マヤ暦が2012年に一区切りを迎えるので、地球が滅ぶんじゃないかという終末論をネタ元にした作品。ノストラダムスの時にも散々ありましたね。こういうカルト臭い世紀末ネタが大好物な身としては、この手の映画が定期的に作られるのは非常に助かります。同時期に似たような映画が乱立するのもなんとも微笑ましく感じられるところですね。

世紀末ネタだけに、これでもかこれでもかと人間文明を破壊する描写が繰り返されます。CGがすごすぎてもはやギャグの領域です。
太陽の活動が活発になった影響で地球で超巨大地震が起きまくって、地盤沈下に火山の噴火、地面が割れて都市がほとんど海に沈み、そんな中で生き残った人のところには巨大な津波が襲いかかったり、挙句の果てに地軸が傾いたり地球の極性が反転したりと正にやりたい放題。思いつきだけでシナリオ書いてるんじゃないかと思わせる展開には大いに笑わせていただきました。
いや、この手の映画はこれでいいんです。映像で見せるものだからアトラクション的なもので全然構わないんです。仮に話がトンボの羽並みに薄っぺらくてもノープロブレムなんです。実際オレは十分楽しめたわけだし。

物凄い勢いで崩壊していく街を車で駆け抜けたり、セスナの講習を受けた程度の人間が倒れてくるビルを避けながら飛行機を飛ばしたり、細かい事を考えてない感じは非常に好感が持てます。素晴らしいB級感。実際問題として何も考えてないはずはないのだけど(一応伏線も大いに張ってあったし)、そういう計算が遥か遠くに霞んで見える映像の大味さ。
3次元的なカメラワークは卓越したCG技術が可能にしたシーンだろうし、現時点でも最高レベルの技術を投入した映画だと思う。なのに全編に漂うこのクソ映画感。B級臭。こういうバランス感についてはエメリッヒ監督は非常に安定したクオリティを発揮してくれる。

ご都合主義と、どこかで見た事あるようなエピソードのオンパレード。この安心感ね。
少しでも「あ、コイツ死にそうだなぁ」と思ったキャラがことごとく酷い死に方したのにはもう爆笑でした。ブロンド女が馬鹿というテンプレなんて久し振りに見た気がする。

しかしハリウッドでの中国人の扱いも随分と変わったもんだね。中国が「世界の工場」なんて言われるようになったことを反映してるんだろうか。人類救済のために必要な船の建造を丸々中国に依頼し、「さすがは中国人だ」みたいなこと言うんだぜ。10年前じゃ考えられん。つうかまずそんな重要なプロジェクトがmede in Chinaって色々不安なんだが。

それから日本人の扱いもここ数年のハリウッドはなんだか気持ちの悪いものがある。この日本びいきっぷりには薄ら寒さすら感じる。嫌われるのも嫌だけど、今更擦り寄って来られても・・・ねぇ。ここ半年程のジャパンバッシングの流れから考えると、今後はまた日本人が悪者になるハリウッド映画が出てくるんじゃないかなぁ。それはそれで面白いから首を長くして待つことにする。
あとこの映画に登場する黒人はことごとく格好いい役どころになってるので、この辺もちょっと色んな圧力とかあったのかなぁなどと邪推してしまうところではある。それは今に始まったことではないか。変に偏った優遇の仕方するのも逆差別よねぇ。


この映画の最大の笑いどころは、マヤの予言を基にしてるのに、最後は結局キリスト教に帰っていくところだ。
ヒマラヤをアラトト山に見立てる発想はともかくとして、そういうところはやっぱりアメリカ映画なのね、と。

しかし動物の雌雄を全て方舟に乗せるというのをそのまま映画でやるのはどうなんだろうか。人類が生き残るための船に大量の動物を乗せるんだぜ。餌や飼育環境の整備だって物凄くコストがかかるだろうに。それどころじゃねえだろと。だいたい雌雄一組でどうにかなると本当に思っているのだろうか。まして洪水の水がひいた後に辿りついた土地でそれらの動物をそのまま開放できるわけねえじゃねえか。
いっそ各動物の精子と卵子のサンプルを冷凍保存しておけば維持管理も楽にできるし長期間の保存にも適していたろうに。

あの状況で様々な動物を船に収容しておく理由を考えるなら、おそらく食料としてだと思う。長い船旅では必要になるだろうしな。ゴリラやキリンを食べる気にはならんが生きるか死ぬかの状況なら仕方ないんじゃないかな。動物愛護団体の皆様も文句は言うまい。

この映画では地球滅亡後の生き残る方法に関しては何も考えてないに等しいので、シミュレーションとしては見れませんとだけ言っておきます。その辺に関しては「復活の日」の方がよほどまじめに考えてると思う(子孫の残し方とかね)(あれは別の部分で大味だけど)。

あーあとは特にないです。子役の女の子がとても可愛かったですね。


金をかけまくってどうでもいい映画も傑作も作れるハリウッドは本当に素晴らしいと思うよ。
ただハリウッドではこれから3Dの映画が増えていきそうな雰囲気なので、今より更に中身のない映画が乱発されるものと思われます。3Dにするとストーリーよりも視覚効果を優先した作品になってしまうからね。金と手間がかかるだけで3Dなんてどう考えても遊園地のアトラクションの域は脱しないだろ。3Dの流行がいつまで続くか、あるいは映画の主流となっていくのか、見ものだね。

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悟りにチャレンジ♪ 

今さっき「仏陀再誕」を観終えました。

あえて自ら地雷を踏みにいったつもりが、あまりにも威力が高すぎて木っ端微塵に粉砕されたでござる。腹筋のトレーニングには最高だと思った。

帰宅したら感想書く。


追記
今夜は息が白くなるほど冷え込んでるから明日書くことにする。寒すぎだろう季節的に考えて。

映画の感想 「キラー・コンドーム」 

とんだタイトルの映画もあったもんである。この映画の存在自体は中学生の頃には知っていたのだけど、実際に観たのは半年くらい前になる。高校受験を控えた中学生がこんな映画を居間で観てたら親は唖然とするだろう。幸いオレは22歳だしPCもあるので気兼ねなく観る事ができる。

安心しろ。これは単なるB級ホモ映画だ。残念ながら色々と露骨過ぎて家族で観る様な映画ではないが。ちなみに個人的には名作だと思ってる。

だいたい舞台がニューヨークなのに全編ドイツ語っていうのがどうかしてる。アメリカ大統領候補者の演説でも問答無用でドイツ語だからね。

とりあえずwikiからあらすじを転載。思い切りネタバレだがそれほどショッキングな展開があるわけでもない映画なので細かい事は気にするな。

「ニューヨーク。32cmの巨根を持つゲイの刑事ルイージ・マカロニ(ザメール)は、コンドームがペニスを食うという奇妙な事件の調査のためにホテルへ向かう。だが、以前に関係を持った男ボブ(レオナルド)に付け回される。ホテルで出会った若い美形の男娼ビリー(マルク)と部屋に入って服を脱ぐが、コンドームに片方の睾丸を食いちぎられてしまう。

睾丸の仇をとるために「キラーコンドーム」捜しに執念をかける彼だったが、自宅で入浴しているとボブが鍵を壊し包丁を持って「私と寝なさい!」と迫ってくる。しかしマカロニ刑事はボブのバッグにキラーコンドームがあることに気付き、銃で撃つが素早く逃げ回るため当らない。そこでガスホースをペニスに見せかけてキラーコンドームがくわえたところにガスを送り、コンドームを破壊した。コンドームの死骸を検死に持って行ったところそれが人工生物だということが判明した。

キラーコンドームは、性の乱れた現代を世直しすべく狂信的な尼僧により放たれたものだった。 マカロニ刑事は教会の地下室へ潜入するが、そこには巨大な「マザー・コンドーム」が待ち受けていた…。」


ひとまずメインキャラクターの簡単な紹介でも。

イタリア生まれの主人公の刑事、ルイージは不必要に渋いオッサン。本当に、無駄に意味もなくハードボイルド。あらすじにも書いてあるけど、32センチのビッグマグナムの持ち主。映画のタイトルも相当アレだが、この設定も相当どうかしてる。定規じゃないんだから。だいたいチビでデブで禿げたオッサンなのに格好いいとかどういう了見だ。やっぱりでかいともてるのだろうか。禁煙のエレベーターや病院の中でも平然とタバコを吸うくらいのヘビースモーカーってのも、彼の性格を印象付ける上でも一役買っている。事あるごとにシチリアがどうのとか俺の故郷はこうだとかいちいち感情論を振りかざす癖に私生活では妙にニヒルなんだよな。それが格好いいんだけどさ。

ガチ♂ゲイのバベット(本名ボブ)。
これは謎の怪演と言わざるを得ない。いや、この映画は何故か役者が良いからこの人に限った話でもないのだけど。
ルイージに影響されてゲイに目覚めた人。ドラァグクイーンな元刑事。SMプレイをしている最中にルイージに邪魔されて怒ったことも。かつて恋人だったルイージを想い続けている。

いい男という事以外にこれといって特徴のないビリー。でもそれが普通にいい男だから困る。脱ぐシーンがあるんだけど、それが本当にセクシーなんだよ(ライティングでそう見えるだけとは思えないレベル)。ビリーという名前も某兄貴を連想させ、実に歪みねぇ存在感を放っています。ルイージとは一目で惹かれあった仲。

このゲイ達の三角関係と事件の話が2本の軸になってストーリーが進行していきます。


ルイージの同僚で妻子持ちのサムとルイージの関係を、いかにもホモ臭く描いてるのが面白い。本人は友情だと言い張っていながら徐々に仕草とか嗜好(性的な意味で)がルイージに近づいていくサムがなんとも言えない空気を醸し出している。妻子持ちなのに。二人っきりのシーンのカメラワークが素晴らしい。

役者の演技がレベル高いのと演出が良い事、更に遊び心のあるカメラワークや小道具が、この映画のどうしようもない下らなさを強調していて実に良い。やっぱり馬鹿なことは大真面目にやってこそだな。これでシナリオさえもう一歩踏み込んでくれていたら傑作と呼ばれたはずだとオレは本気で思っている。

残念なのは、途中まで三角関係と事件の二つの話で進んでいたストーリーが、三角関係の方が途中で一応の決着を見せてしまって、そこから先の展開が貧弱になってしまった事だ。教会の地下の秘密基地を見つけるくだりとかどう見ても超展開なんだよ。終盤に向けてストーリーを収束させなければいけないとはいえ、ちょっとスマートさに欠ける。
オレ的には、三角関係と事件の話が絡み合いながら徐々にストーリーが盛り上がり、クライマックスで一気に全てを解決って流れにしてくれたら理想的だったんだ。

エレベーターの中でルイージとビリーが激しく求め合うシーン(ここに至る経緯とこのシーン自体の演出が神がかってる)は3人の関係にピリオドを打つ決定的な場面になるのだけど、二人がエレベーターから出て来たところに鉢合わせしてしまったバベットが二人を祝福しなければそこから先は全く別の展開になったはずなんだよね。でもオレはバベットのセリフも含めそのシーン全体が好きなので、なんともこう、ね、痛し痒しといったところでしょうかね。

いやでも・・・うーん。アレなんだよ、本当にこのシーンすごいんだよな。エレベーターのシーンの前に、ルイージがバベットに事件に巻き込んだことのお詫びのプレゼントを持ってくシーンがあるんだよ。この時の二人の心理描写が絶妙でさ。復縁を求めて包丁を突きつけるような暴挙に出てしまったバベットの愛情と、かつての恋人のその気持ちの強さに不器用ながらも精一杯の誠意で応えようとするルイージの気持ちがさ、なんていうの、触れ合いそうなのにすれ違う二人の心っていうかね。

バベット自身もルイージの気持ちが自分に向いていない事は分かってるんだよ。でもきっとそのプレゼントは嬉しかったんじゃないかと思うのね。それが無骨で色気のないアイロンだったとしても。そんなシーンがあった直後にルイージとビリーがエレベーターに雪崩れ込むわけよ。その時バベットはショーで愛の歌を歌っている。エレベーターの外に人だかりが出来るほど激しくホモる二人のカットと、歌うバベットのカットが交互に映し出され、色んな感情が一気に噴出し縺れて、劇中最高の盛り上がりを見せる。もちろんここでもユーモアは忘れない(エレベーターの階数表示がショートして火花を散らす=射精の暗喩)。このセンス。ゲラゲラ笑えるシーンなのに、それと同時に切ない気持ちになったのは初めてだった。

そしてエレベーターから出て来た二人を見てバベットは「ブラボー」と呟くのであった。その時のバベットの気持ちを考えるともうね。本気で名シーンだと思う。このシーンがなければオレはこの映画を好きにはならなかったとさえ思うね。ただ、前述した通りこのシーンのせいでその後の展開がグダグダになってしまったのは残念としか言いようがない。


コンドームがペニスを食いちぎるというどうしようもなくばかばかしいネタで始まりながら、クライマックスでは痛烈な教会批判をしてみせる展開など、シリアスとギャグのバランス感覚に優れた良い映画だと思います。愛の言葉を囁きあいながら寄り添って歩くルイージ刑事とビリーの後姿を、俯瞰構図で静かに離れていくカメラ。もうね。そんな極甘なラストシーンで物凄く古典的かつ綺麗にまとめてて、この上なく気持ちの良い観後感(?)でした。

ホモ映画だとか下ネタだとか、そういうのに嫌悪感をもって観ないのではちょいとばかしもったいないクオリティです。バカには違いないのだけど。


ちなみにこの映画のモンスターデザインを手がけているのは、スペースホラーの金字塔「エイリアン」や、エロい美女のモンスターが登場することで金曜ロードショーに引っ張り凧の「スピーシーズ」で有名なH・R・ギーガーその人であります。B級映画に出すにはあまりにも恐れ多いレベルの人物である。よく分からないという人は、ティム・バートンが日本でVシネを撮ると言い出すのを想像してくれればだいたい似たような気持ちになれると思う。
この映画に興味を持ったのも、当時中二病全開だったオレがギーガーのアメリカ的で洗練されたエロとグロの世界に惹かれていたから。思えばあの頃と嗜好が何一つ変わっちゃいねえなオレは。多少許容範囲が広がった程度の違いだね。なんということだ。

ホラー映画というか黒沢清が好き 

夜中に部屋を暗くして観るホラー映画の面白さは異常。夏だし。

ホラーと言えども細かいカット割りを多用するのは嫌いです。急に画面にドン!って出てきてびっくりさせるのも陳腐で嫌。真綿で首を絞めるようにジワジワと観客を責めて欲しいね。その点で黒沢清の映画は幽霊の見せ方とか、断定的な口調で曖昧なことを言っちゃうセリフ回しとかがとても素晴らしいと思います。一人で観るとマジでチビりそうになる。ストーリーは超展開になったりすることが多いけど演出はピカ一だと思う。ヘッドホンをして観るべし。ニコニコに「降霊」が落ちてたから貼っとく。


正直これは前編だけ観ればおk。

黒沢清は幽霊の概念を曖昧な解釈のまま扱っているのが個人的にはすごく好き。今どき幽霊を言い表すのに「すごく恐ろしい顔をしてるらしい」なんて真っ向から言うかい。"見えない怖さ”に弱いんだよ。カーテン一つで不安の煽れるんだという事に気付かせてくれました。無駄なシーンを挟んで冗長にするのをありがってるとしか思えない昨今のJホラーの中で、30分そこそこの短編をすっきり纏め上げる構成力をもってる監督は貴重だと思います。
変な特殊メイクでゴテゴテに顔を作った幽霊とか要らないんです。「オトシモノ」とか愚の骨頂。あの映画は可愛い頃の沢尻エリカと野村涼乃が観れるだけ。ダンジョン発見のくだりは爆笑してしまった。

演技の下手なアイドルが出るならスプラッタホラーでお願いします。安いB級ホラーならAV女優を出して無駄にパンツとか晒せばいいのです。逃げながら靴が脱げて転んだついでにパンツ露出。これ。ゾンビ映画のセオリーですね。パンチラが嬉しいというよりセオリーをきちんと踏んでくれているかどうかが問題なのよ。それだけで安心感に差が出ます。

「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」の感想 

学校のテストも終わったし、先日映画館に観に行ったエヴァの感想でも書こうと思う。
ここから先は盛大にネタバレを含みます。あくまで私見ですが、読みたくないって人はご注意ください。
読むなら早くしろ。でなければ帰れ!(ブラウザバック的な意味で)


全体的にとっちらかった印象を受けたのは、4部作の2作目ということで、世界観の紹介である1作目とは違って風呂敷を広げる回と位置づけているせいか。多分4部作を全部通して観たときに、ちょうどいいボリュームに感じられるように計算してるのではないかと思います。

ストーリーがTV版の焼き直しプラス完全新規脚本といった感じで新鮮な気持ちで見れました。それだけでなくキャラクターの小さな変化もたくさんあったので何度も観て楽しめるのではないかと思います。

特にアスカの変化が面白いね。
TV版であれだけ固執していた加持さんに、今回は全く触れていないんだよ。その上家族に関する描写がない。加持さんが父親の代用品みたいなものだったのに。その加持さんも、ミサトさんとの寄りを戻さず、それどころか「葛城を守ってやってくれ」とシンジに頼んだりしていた。
かつてのアスカの病的なくらい過剰な自尊心が、今回は割とあっさりしたものに変更され、他人を受け入れる心の余裕まで生まれている。寂しさを紛らわせるためとはいえ、以前のように寝ぼけてシンジの布団で潜り込んだりせず、あくまでも自分の意思で添い寝しに行くというあからさまなデレが見ものでした。でもシンジはそれをほとんど無視するというフラグクラッシャーっぷりを発揮しちゃう。シンジはアスカよりゲンドウに夢中だからね。完全に童貞力を失っている。

どのキャラクターもTV版・旧劇場版とは随分と性格が前向きになっているのが気になった。
どいつもこいつも屈折したキャラクターなのが売りだったのに、今回は要所要所で積極的になったりしているのよね。レイが食事会を企画するなんて発想はなかったわ。
TV版ではアスカが登場してから一気に作品自体の雰囲気が明るくなっているが、その演出は今回も踏襲しているようだ。主人公を食いかねない勢いの格好良い登場シーン、とかね。

TV版が放映されていた90年代の日本は、バブルがはじけて以来の不景気は終わりが見えず、自殺者が増えるなど誰もが疲れていた時代だった。そういった状況の中でエヴァというアニメが生まれた事、シンジのようなキャラクターが出てきた事は大きな意味があったと思うが、それを今の日本でそのままやることにどれだけ意味があるのかというのは新劇場版の制作発表があった時に思っていた。
「破」の内容を見て思うのは、ここまでキャラクター造形にアレンジを加えた事で、脚本だけでなく作品としても当時のエヴァとは全く違ったものにしようというスタッフの意図が見て取れる事だ。


全体的にオタク歓喜な要素が満載。特にアスカはスタッフに愛されてるな。サービスシーン多いよ。ご馳走様でした。風呂から飛び出した後のストローのディフェンスの堅さが憎らしい。ローアングルの多さではレイやマリを抑えてアスカが断トツでしたね。

カヲル君は今回も絶好調でしたね。ゲンドウに対して「お父さん」とか言ったり、最後の最後で「今度こそ君だけは幸せにしてみせる」などとシンジに向かってプロポーズのごときセリフを吐くなんて。
腐女子大歓喜ですね。隣に座ってたカップルなんか噴出してたぞ。「序」の初登場シーンでは全裸を晒し、今回もまたこんな事言っちゃうとかカヲル君ネタキャラ化してないか。いや、彼は元々ほとんどネタキャラか。こんな事言ったらジュネ読者に怒られますか。

新キャラのマリに関しては公開前から個人的に期待していたのですが、映画を観たら期待以上のキャラだったので大喜びです。
要素だけ抜き出すとすごいよ。「赤縁メガネ」「ツインテール」「ニーハイ(個人的には黒タイツであって欲しかった)」「巨乳」「謎めいたキャラ」「ネクタイとチェックのスカートの制服」「碧眼」「語尾が『にゃ』になったりする口調とエキセントリックな性格」そしてなにより「CV坂本真綾」。強い、強すぎる。
それにしてもマリの巨乳アピールっぷりが清々しいくらいだね。仮設五号機のプラグスーツでは「胸がキツイ」といい、ネルフの新しいプラグスーツでは「ぴったりして気持ちいい!」とその大きな胸を弾ませ・・・。ことあるごとに胸ムネむね・・・。なんだこいつ。
そんな女の子が空から降ってきた上に、そのおっぱいで窒息しかけるだなんてシンジの主人公補正はハンパないな。

マリは徹頭徹尾おっぱい要員っぷりを発揮し続ける優秀なオタク向けキャラだと思います。マリのカットの内半分くらいはおっぱいに関する描写だったんじゃないか。そうでなくともこれまでのエヴァのキャラ造形の傾向からは外れたキャラであることは間違いない。実際マリは狂言回しの役割を担っているので、あの緑色の電王みたいなプラグスーツは世界観とのギャップ、他のチルドレンと一線を画しているんですよって事を表してるとも考えちゃってもいいかも知れない。今後どういった形でストーリーに絡んでくるのか楽しみだ。

そうそう、マリのプラグスーツのデザイン意図に関して少し思ったのだけど、あの後ろから胸を鷲づかみされてるように見えるデザインは、マリがおっぱい要員だということを暗に示していたんじゃないか。直球といえば直球のデザインではあるね。もっと早くに気付くべきであった。
貞元さんの絵だとスレンダーなプロポーションばかり強調されて胸の大きさはほとんど違いが分からないから、演出やセリフで補足してくれるのは、そのなんだ。助かる。

それからスタッフの遊びとして気付いたのは、アスカが持ってるゲーム機がワンダースワンだったり(余談だけどオレのPCの起動音もワンダースワンの起動音)、トウジがさりげなくヒカリを守ってたり、加持さんがシンジに迫って「アッーーー!」とかね。なんだかスタッフが本当にエヴァを好きなんだろうなというのが感じられてとても良かったです。


アスカのクローン疑惑が公開前から囁かれているのが気になってしょうがない。
その根拠となったのは式波という名前。エヴァのヒロインの苗字が旧日本軍の戦艦の名前なのはTV版から変わらないが、敷波(しきなみ)は綾波と同じクラスの駆逐艦の名前とのことで、このことからアスカもレイと同じようにクローンなんじゃないかと。今回の劇場版を観るとそれを裏づけるような描写が散見できたのよね。
社会現象にもなったエヴァを代表するアイコンとして、「傷だらけの少女」というものがある。言うまでもなくレイのことだが、今回の劇場版ではそれを包帯ではなく絆創膏と解釈したとすると、レイに感化されて料理を始めたアスカにも「傷だらけの少女」というアイコンが与えられているように見える。むしろレイからアスカに役割が移り変わっている?

また、アスカの「そっか。私笑えるんだ」というセリフは、TV版のレイの「これが、涙?泣いてるのは、私?」と対応し、他人との関わりの中で自分の感情に気付いた直後の死というところも一致している。アルミサエルに侵食されてシンジのために自ら死を選んだレイと、バルディエルに侵食されてシンジに殺されたアスカ。
これだけでアスカがクローンだと判断するのは早計かも知れないが、少なくともアスカがレイ化しているように見えるのはオレだけではあるまい。
アスカが今後どういった形で再登場するかが気になるところだね。

ダミープラグでフルボッコにされるシーンのBGMが「今日の日はさようなら」だった事も、アスカの再登場を示唆しているのではないでしょうか。「いつまでもたえることなく 友達でいよう」「今日の日はさよなら また会う日まで」。
まぁ予告編で眼帯したアスカが一瞬だけ出てきたから確実に再登場するんだろうけど問題はアスカのコアが無事なのかどうかだね。


人の姿を捨てた弐号機とその手のひらに乗るシンジが、マンガ版の巨神兵オーマとナウシカそっくりっていうのが気になる。これはアニメ版ナウシカで崩壊する巨神兵の原画を担当した庵野によるオマージュとしての意味もあるだろうし、ひょっとしたら今後の展開を読む上で大きなヒントになるかも知れない。

マンガ版ナウシカに登場する巨神兵オーマは世界の調停者で、ナウシカはアニメ版のような救世主ではなく、「火の7日間」で滅んだ旧世界の汚染を浄化するためのシステムをぶっ壊したりしてます。さて、これをどう見るか。
シンジなんかご丁寧に聖痕まで付けられてる上に、初号機はウルトラマンっぽい外見になってどんどん救世主への道を突き進んでいるわけですが。旧劇場版ではシンジが聖痕を付けられたのは初号機が量産型に捕まってからで、その直後にサードインパクトが起きている。この辺も大分脚本弄ってるね。
あーでも弐号機の手のひらに乗ったあとすぐに自分の意思で飛び降りてるなぁ。うーむ。


個人的にはそれなりに面白かったんじゃないかなと思ってます。思い出補正がかかっている作品だし、今後どういう展開になっても多少のことでは「ありえねえ」なんて言う事はないと思います。

ただ、少しどうかなって思ったのが、マリの巨乳キャラアピールとアスカのローアングルの多さにオタクは大喜びしても、それが逆に「序」やパチンコでエヴァに興味をもった一般人は思い切り引いちゃうんじゃないかなと思ったのよね。
「序」のように一つの映画としてある程度すっきりした形にしようという意図が見えるでもなく、やたらめったらオタ臭のするシーンが出てくる狙いが分からん。もはやエヴァがオタクだけに消費されるものとも思えないし、そうだからこその新劇場版だと思ってたから何だか首を捻らざるを得ない。あくまでオタクのために作ってるんですっていうなら分かるんだが。


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こちら、劇場で購入可能な数量限定生産のフィギュアセットでございます。結果から言うと買いました。ポップコーンを塩味にしたので1500円。
しかしながらこれを買うべきか否かで迷いましたよ。最終的に購入に踏み切ったのは、この1500円という値段が妥当だと判断したから。

オレが行った映画館ではソフトドリンクがMサイズで320円、ポップコーンのMサイズは450円で販売されており、フィギュアを抜きにすれば770円相当の値段になる。そこからフィギュアの値段が差し引き730円だと判断する。
16cmのフィギュアなら、コンビニで売っている500円の箱フィギュアでも「大きいな」くらいのレベルで同程度のサイズのものはあるので、まぁまぁ買ってもいいかなとも思えるがこの時点ではまだ判断できない。

ここで映画館限定品というものがどれほどプレミアムなものかを考える。
ポイントはこのフィギュアが「数量限定生産」であって「○万個限定生産」ではない点だ。生産数を示していないので100万個作ったかも知れないし、5万個しか作ってないかも知れない。大量生産品というものは、多く作れば作るほど単価が安くなるので、このフィギュアが仮に730円という比較的安価に収まっているとすればそれなりに生産しているという事になる。すると希少性が薄くなりプレミア的な価値はないと判断できる。これではおいそれと買うわけにはいかなくなってくる。

しかしながらエヴァを上映している映画館自体が限られている=フィギュアを手に入れられる場所が少ないという状況を考えると、このフィギュアを手に入れることが難しい人が出てくる。そこに需要が発生する。
通常、ゲーセンで手に入れられるプライズ品のフィギュアは、付加価値が付かない状態でも1500円前後で売られている。これらの事を考慮した上で、今回のアスカのフィギュアを転売した際にどれだけの値段が付くかを考えると、プライズ品より明らかに生産数の少ないアスカのフィギュアに1500円以上の値が付くことは想像に難しくない。

そうしてオレはこのフィギュアがフィギュアの単価どころかセット価格すら超える価値を持っている事を確信し、意気揚々とポップコーン売り場へ向かったのだった。

そして受け取ったフィギュアがこれ。
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こんなのオレのアスカじゃない!!

鼻の位置低いよ!中途半端にリアルっぽくしようとすんなよ!もっとよく設定画見て作れよ!
エッジの甘さとかは値段が値段だし仕方ないにしてもフィギュアの命である顔がこれっていうのはどういうこと!?

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全体のプロポーションがそれほど悪い出来じゃないから余計にこの顔の造形に腹が立つ。
パーツ構成も分割も普通だしこれといって特殊なことをやってるようにも見えない。なるべくコストがかからないように作ってるなというのが見て取れる。・・・どこに発注したんだよ。

後ろに並んでいた高校生の集団に小声で「キメェ」とか言われた事よりフィギュアの出来が悪かった事の方がショックだ。必死こいてフィギュアの価値を5分で弾き出したのに。これじゃあ全ての計算が無駄になる。これをプレミア価格で買いたい奴なんているのか?まぁ転売なんて無粋な事はしませんが。


以上です。おつかれさまでした。

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