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映画の感想 「キラー・コンドーム」 

とんだタイトルの映画もあったもんである。この映画の存在自体は中学生の頃には知っていたのだけど、実際に観たのは半年くらい前になる。高校受験を控えた中学生がこんな映画を居間で観てたら親は唖然とするだろう。幸いオレは22歳だしPCもあるので気兼ねなく観る事ができる。

安心しろ。これは単なるB級ホモ映画だ。残念ながら色々と露骨過ぎて家族で観る様な映画ではないが。ちなみに個人的には名作だと思ってる。

だいたい舞台がニューヨークなのに全編ドイツ語っていうのがどうかしてる。アメリカ大統領候補者の演説でも問答無用でドイツ語だからね。

とりあえずwikiからあらすじを転載。思い切りネタバレだがそれほどショッキングな展開があるわけでもない映画なので細かい事は気にするな。

「ニューヨーク。32cmの巨根を持つゲイの刑事ルイージ・マカロニ(ザメール)は、コンドームがペニスを食うという奇妙な事件の調査のためにホテルへ向かう。だが、以前に関係を持った男ボブ(レオナルド)に付け回される。ホテルで出会った若い美形の男娼ビリー(マルク)と部屋に入って服を脱ぐが、コンドームに片方の睾丸を食いちぎられてしまう。

睾丸の仇をとるために「キラーコンドーム」捜しに執念をかける彼だったが、自宅で入浴しているとボブが鍵を壊し包丁を持って「私と寝なさい!」と迫ってくる。しかしマカロニ刑事はボブのバッグにキラーコンドームがあることに気付き、銃で撃つが素早く逃げ回るため当らない。そこでガスホースをペニスに見せかけてキラーコンドームがくわえたところにガスを送り、コンドームを破壊した。コンドームの死骸を検死に持って行ったところそれが人工生物だということが判明した。

キラーコンドームは、性の乱れた現代を世直しすべく狂信的な尼僧により放たれたものだった。 マカロニ刑事は教会の地下室へ潜入するが、そこには巨大な「マザー・コンドーム」が待ち受けていた…。」


ひとまずメインキャラクターの簡単な紹介でも。

イタリア生まれの主人公の刑事、ルイージは不必要に渋いオッサン。本当に、無駄に意味もなくハードボイルド。あらすじにも書いてあるけど、32センチのビッグマグナムの持ち主。映画のタイトルも相当アレだが、この設定も相当どうかしてる。定規じゃないんだから。だいたいチビでデブで禿げたオッサンなのに格好いいとかどういう了見だ。やっぱりでかいともてるのだろうか。禁煙のエレベーターや病院の中でも平然とタバコを吸うくらいのヘビースモーカーってのも、彼の性格を印象付ける上でも一役買っている。事あるごとにシチリアがどうのとか俺の故郷はこうだとかいちいち感情論を振りかざす癖に私生活では妙にニヒルなんだよな。それが格好いいんだけどさ。

ガチ♂ゲイのバベット(本名ボブ)。
これは謎の怪演と言わざるを得ない。いや、この映画は何故か役者が良いからこの人に限った話でもないのだけど。
ルイージに影響されてゲイに目覚めた人。ドラァグクイーンな元刑事。SMプレイをしている最中にルイージに邪魔されて怒ったことも。かつて恋人だったルイージを想い続けている。

いい男という事以外にこれといって特徴のないビリー。でもそれが普通にいい男だから困る。脱ぐシーンがあるんだけど、それが本当にセクシーなんだよ(ライティングでそう見えるだけとは思えないレベル)。ビリーという名前も某兄貴を連想させ、実に歪みねぇ存在感を放っています。ルイージとは一目で惹かれあった仲。

このゲイ達の三角関係と事件の話が2本の軸になってストーリーが進行していきます。


ルイージの同僚で妻子持ちのサムとルイージの関係を、いかにもホモ臭く描いてるのが面白い。本人は友情だと言い張っていながら徐々に仕草とか嗜好(性的な意味で)がルイージに近づいていくサムがなんとも言えない空気を醸し出している。妻子持ちなのに。二人っきりのシーンのカメラワークが素晴らしい。

役者の演技がレベル高いのと演出が良い事、更に遊び心のあるカメラワークや小道具が、この映画のどうしようもない下らなさを強調していて実に良い。やっぱり馬鹿なことは大真面目にやってこそだな。これでシナリオさえもう一歩踏み込んでくれていたら傑作と呼ばれたはずだとオレは本気で思っている。

残念なのは、途中まで三角関係と事件の二つの話で進んでいたストーリーが、三角関係の方が途中で一応の決着を見せてしまって、そこから先の展開が貧弱になってしまった事だ。教会の地下の秘密基地を見つけるくだりとかどう見ても超展開なんだよ。終盤に向けてストーリーを収束させなければいけないとはいえ、ちょっとスマートさに欠ける。
オレ的には、三角関係と事件の話が絡み合いながら徐々にストーリーが盛り上がり、クライマックスで一気に全てを解決って流れにしてくれたら理想的だったんだ。

エレベーターの中でルイージとビリーが激しく求め合うシーン(ここに至る経緯とこのシーン自体の演出が神がかってる)は3人の関係にピリオドを打つ決定的な場面になるのだけど、二人がエレベーターから出て来たところに鉢合わせしてしまったバベットが二人を祝福しなければそこから先は全く別の展開になったはずなんだよね。でもオレはバベットのセリフも含めそのシーン全体が好きなので、なんともこう、ね、痛し痒しといったところでしょうかね。

いやでも・・・うーん。アレなんだよ、本当にこのシーンすごいんだよな。エレベーターのシーンの前に、ルイージがバベットに事件に巻き込んだことのお詫びのプレゼントを持ってくシーンがあるんだよ。この時の二人の心理描写が絶妙でさ。復縁を求めて包丁を突きつけるような暴挙に出てしまったバベットの愛情と、かつての恋人のその気持ちの強さに不器用ながらも精一杯の誠意で応えようとするルイージの気持ちがさ、なんていうの、触れ合いそうなのにすれ違う二人の心っていうかね。

バベット自身もルイージの気持ちが自分に向いていない事は分かってるんだよ。でもきっとそのプレゼントは嬉しかったんじゃないかと思うのね。それが無骨で色気のないアイロンだったとしても。そんなシーンがあった直後にルイージとビリーがエレベーターに雪崩れ込むわけよ。その時バベットはショーで愛の歌を歌っている。エレベーターの外に人だかりが出来るほど激しくホモる二人のカットと、歌うバベットのカットが交互に映し出され、色んな感情が一気に噴出し縺れて、劇中最高の盛り上がりを見せる。もちろんここでもユーモアは忘れない(エレベーターの階数表示がショートして火花を散らす=射精の暗喩)。このセンス。ゲラゲラ笑えるシーンなのに、それと同時に切ない気持ちになったのは初めてだった。

そしてエレベーターから出て来た二人を見てバベットは「ブラボー」と呟くのであった。その時のバベットの気持ちを考えるともうね。本気で名シーンだと思う。このシーンがなければオレはこの映画を好きにはならなかったとさえ思うね。ただ、前述した通りこのシーンのせいでその後の展開がグダグダになってしまったのは残念としか言いようがない。


コンドームがペニスを食いちぎるというどうしようもなくばかばかしいネタで始まりながら、クライマックスでは痛烈な教会批判をしてみせる展開など、シリアスとギャグのバランス感覚に優れた良い映画だと思います。愛の言葉を囁きあいながら寄り添って歩くルイージ刑事とビリーの後姿を、俯瞰構図で静かに離れていくカメラ。もうね。そんな極甘なラストシーンで物凄く古典的かつ綺麗にまとめてて、この上なく気持ちの良い観後感(?)でした。

ホモ映画だとか下ネタだとか、そういうのに嫌悪感をもって観ないのではちょいとばかしもったいないクオリティです。バカには違いないのだけど。


ちなみにこの映画のモンスターデザインを手がけているのは、スペースホラーの金字塔「エイリアン」や、エロい美女のモンスターが登場することで金曜ロードショーに引っ張り凧の「スピーシーズ」で有名なH・R・ギーガーその人であります。B級映画に出すにはあまりにも恐れ多いレベルの人物である。よく分からないという人は、ティム・バートンが日本でVシネを撮ると言い出すのを想像してくれればだいたい似たような気持ちになれると思う。
この映画に興味を持ったのも、当時中二病全開だったオレがギーガーのアメリカ的で洗練されたエロとグロの世界に惹かれていたから。思えばあの頃と嗜好が何一つ変わっちゃいねえなオレは。多少許容範囲が広がった程度の違いだね。なんということだ。

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