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ある夏の日の話 

梅雨が明けたのか明けていないのかということには全く興味はないのだが、ここ最近の暑さはどう考えても日本の夏のそれなわけで、今朝もやかましいだけで役に立たない目覚まし時計よりも、もはや習慣と化した母の怒号よりもまず朝日の輝きとうだるような熱気で目が覚めてしまった。

当然こんな寝覚めで気持ちが良いわけがなく、毎晩スッキリ爽やかな目覚めを祈ってから床についている。しかしその安っぽい期待は十中八九裏切られることを、オレは経験則から知っている。
それにしても暑い。

単に暑さから逃れるという目的だけなら方法などいくらでも考えられる。しかし今オレが求めているのは冷房のような短絡的なものではない。必要とされるのは精神面での深い安息であり満足感である。

そこで豆大福を買ってみた。なぜ大福なのかと問われれば答えはいつも一つだ。
「オレは大福が大好きなんだよ」
大宮の駅ナカとやらを本屋以外で利用したのは初めてだ。店舗が通学路上にあるので、毎朝豆大福への欲求を断ち切るのに苦労していた。断腸の思いでその場を離れなければならない。つまりは念願の豆大福なのだ。
少々値が張るのは見なかったことにして、ここは熱い茶でも用意してじっくり味わうこととする。
・・・と、その前にもう一度出かける用事があるので、とりあえず冷蔵庫に入れて楽しみはあとにとっておこう。ウフフ・・・。

──帰宅後。

この季節鬱陶しいのはセミだけではないようだ。これは完全に盲点だった。
楽しみにしていた豆大福を姉が開封し食べてしまっていたのだ。
3つあるうちの1つだけ。確かにオレにも過失はある。男の多い兄弟構成のため、自分のものには食べ物でも名前を書いておかなければならないのが昔からの習慣だった。それを怠ったのはこのオレだ。オレは大福を冷蔵庫に入れる前にまずパックに油性ペンでサインしておくべきだったんだ。名前を書かないということは、所有権を放棄し公共物にしても構わないということへの意思表示を意味する。

しかし。しかしだ。「開封する喜び」と「一番乗りで手をつけるワクワク感」、ましてや自分で買ってきた物への愛着は何物にも換えがたいもののはず。名前のない大福があったからといって、普段見慣れないものがあったらそれが一体どういう経緯でそこに置かれたのかくらい確認してもいいのではないか。そういう小さな変化に気づき情報を共有することこそ家族のコミュニケーションの基本的な姿なのではないのか。
たかが大福一つ、されど・・・。

もう何もかも面倒臭くなってしまった。文句など言ってやろうとも思わない。大福一つのために茶を淹れようとか考えるなんて気違いかっつうの。ああもう全て台無しだ。

これを読んでいる人はオレを心の狭い人間だと思うだろうか。
大半の人は大福を食べてしまった姉を擁護こそしないが、非難することもないのだろう。
オレは誰かの賛同が欲しいわけではないし、それはそれで当然だし構わないと思う。

ただひとつ言い残したいことといえば答えはいつだって一つである。
「オレは大福が大好きなんだよ」

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  • [2007/08/19 05:50]
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